終章 決戦マナグア攻防戦

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 宮殿そのものへの攻撃がオルテガ中将により厳禁されてしまったため、包囲軍は全力で砲撃を加えることが出来なくなっていたのも駆逐できない一因となっていた。数の違いは疲労度の違いとして現れてくる。休む間もなく戦い続けるにはおのずから限界がある。 「エーン少佐より各位、南部軍がマナグアに入った。パストラ首相もそれに同道している模様」  嘘か誠かヘッドフォンからそう聞こえてきた。勝ちの目がなければ権力者など逃げ去るのが当たり前なのに、そのような場所にまで来ているというのが士気を向上させた。 「マリー少佐だ、報告を上げろ!」 「ブッフバルト大尉、ホール手前まで進出中!」 「ロビーで攻防戦展開中。ヘルメス大尉です」  外部部隊に知らせるために共用している。いま少し時間が必要だとの認識が伝えられた。あまりにも厳しい競り合いが、もう数時間続いている。 「フーガ少佐、あと二時間位まで防衛可能の見通し」  ジリ貧になる前に一挙に打って出たいがしくじるわけにもいかない。相反する葛藤がマリー少佐の脳裏をよぎる。
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