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「どうしたの、突然」祐子は目を見開いていた。
顔は熱っぽく、頬が紅潮していた。
おれは目の前の光景がまだ信じられなかった。
「祐子」
おれはたまらず、祐子へと飛びかかった。その勢いのまま、ベッドへと倒れ込んだ。
「祐子!」
きつく抱きしめると、おれの腕には祐子の柔らかな肉体と、か細い骨格がはっきりと感じられた。髪に顔を埋めると、しっとり甘いにおいがした。
祐子はいやがることなく、おれを精一杯抱き留めてくれた。
取り乱したおれの様子に何かを感じ取ったのだろう。
「俊くん、何かあったの?」
おれはただやみくもに祐子の体にすがりついてた。
おれたちは幼なじみだった。知り合った時からずっと二人でいることが空気の様にあたりまえだった。将来結婚することは語らずとも確信していた。
でも二人が肉体関係をもったことはなかった。
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