第1章

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「さぁ、聞いたことないな」 「そうですか」 「ただ……」  男性は続けた。 「桜月というおじいさんなら、わかるかもしれない」 「桜月?」  銀兜は聞いてみる。 「酒仙を自称する老人さ。毎日浴びるようにお酒を飲んでいる、老人だよ」  と、モブ男性。 「住んでいる場所はわかりますか?」 「ああ、それならね」  男性モブは丁寧に桜月の住所を教えてくれた。 「ありがとうございます」  銀兜は礼を言った。 「な~に、どういたしまして」  そこで、モブ男性と離れた。 「酒仙桜月か~何か知っていればいいけど……」  銀兜は呟く。 「これは有益な情報かもしれない」  昼間までに宿屋に集合となっている。 「もう少し、話を聞いていくかな」  銀兜はキョロキョロと辺りを見渡す。  美人のモブキャラを見つけた。 「お姉さんお姉さん、伝説の武器って知りませんか?」  額を押さえる美人モブに声をかけた。 「は~? 身長差があるから嫌だ」  そう言って美人モブは去る。 「………」  呆然と見送る銀兜。 「ナンパじゃねぇっつの」  銀兜は短く呟いた。
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