第1章

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 しかし、あれだ。子供助けるとか、キャラクター的に好感度アップだろう。雨の中捨てられた子犬を抱くみたいに。 「テリー君、これからお母さんに話するからね。もう、スリしちゃダメよ?」 「え~……どうかなそれ」  テリーは口先を尖らせる。 「わかってないな~いいか、スリってのは立派な犯罪だからね」 「だって貧乏なんだもん」  ひょうひょうとした態度だ。  昔、みの🌕んたの番組の中に貧乏な店助ける企画あったよなー。 「いいかい。テリー君、私は君がスリをやめようと思うまで説教するからね」 「じゃあ、耳ふさいでる」  このガキャ……  H・Hはどう話した物かわからなかった。 「あのさー君が悪いことして一番傷つくのはお母さんだからね」 「母さんは優しいから許してくれる」  甘やかされてんだなー。母親にも説教が必要だとH・Hは思った。でも、自分の子供じゃないのに大切にしてるのか……いや、大切に思うならしかるべきだな。 「ここだよー」  テリーは指した。  見るとBAR閑古鳥と書いてある。 「君のお母さん、BARのママ? というかなんつー名前だ」  H・Hは店を見た。
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