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すすけた店である。よくある潰れた喫茶店のペナントをそのままBARにしたなって、感じの店である。
H・Hは閑古鳥の扉を開く。
「すみません、この子の親いますか?」
「はい、私がそうです。また、テリーが悪いことをしましたか?」
出迎えたのは、白い肌の長い黒髪の美女であった。思っていたより若い、30前であろう。申し訳なさそうな表情をしている。
このガキ、常習犯か。父親がいないと、教育って行き届かないのかな。
「実はこの子がスリをしましてね。それでさっき危ない目にもあいまして」
H・Hは財布をすられた話と、怖そうな男二人に痛めつけられる寸前だったことを、母親に話す。
「まぁ、そんなことが。テリーが財布をスッたのに、助けていただいたなんて、お礼と謝罪をします」
頭を下げる母親。
しかし、美人だな。未亡人、アリっちゃアリだ。
「それでですね、私はテリー君にもうスリをさせたくないんですよ。そのことをお話したくて」
散々、皮肉を言ってやるつもりだったが、美人だから許した。だって美人だし。
ライトノベルに置いて美女と可愛い女の子は正義です。
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