第1章

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娘の存在、 そして、 成長のひとつひとつが、 私にとっては「タカラモノ」です。 小さな身体で懸命に頑張ってくれた娘の事を、 ここに綴っておきたいと思います。 (はなの誕生)  はなは、 立会い出産で生まれてきた。  急な都合が付けにくい仕事している夫が立ち会えるために、 私たちが選んだ分娩スタイルは「誘発分娩」と言って、 お産する日(入院する日)を決めて、 人工的に陣痛を誘発(促進)してお産すると言うものだ。 自然の流れに逆らって・・・と思う人もいるかもしれないが、 初めての我が子誕生を、 夫婦揃って迎えるための選択だった。 後に、 この選択は正しかったと確信する。    入院は、 子宮口の状態や胎児の発育具合から、 38週4日の10月11日。 夫にもそれに合わせて遅めの夏休みをとってもらうことができた。 その日の夕方、 入院の手続きをしてからすぐに、 早速メトロ(子宮口を広げる風船のようなもの)を挿入し、 病室で待機することとなった。 個室がいっぱいで、 お産前の私は、 4人部屋に入った。 狭い部屋に4つのベッドが並べられていて、 それぞれがカーテンで仕切られていた。 向かいのベッドには、 生まれて間もない赤ちゃんがいるらしく、
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