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区役所に採用され今年で四年目、仕事にも大分慣れた。 人によっては変化の少なさを嫌うのかもしれないが、僕は今の仕事が気に入っていた。 やりがいと呼ぶにはささやかかもしれないけれど、誰かのための小さな歯車となれることを、好ましく思う。 昼休憩に入り、昼食を取るために食堂へと向かう。基本はお弁当派なのだけれど、今朝はつい寝過ごしてしまった。 昨夜の行為が不意に頭をよぎり。 ひとり激しい羞恥心と戦っていると。 「穂高君」 同期の女子に、名前を呼ばれた。
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