第九章

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「……」 通学路を一人黙々と歩く。 黒木さんの送り迎えは私に危険がないようにってことだが、今の時刻は朝六時だ。 こんな時間に出歩く不良さんなんて…… 「制林の姫様みーっけ」 意外といました。 最近の不良さんは早起きなのですねびっくりです。 思わずため息が出そうになるのを堪えて感情を表に出さず静かに不良さんを見る。 「……私、姫なんて大層なものではないです。人違いです」 そして人違いだと思い込んでこのままお帰りください。  
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