第九章

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「……私、黒木さんのこと好きです。大好きです……なんで好きなのかわかりませんけど黒木さん見てたらこの人好きだってなんだかそういう感情がわいてきます」 「は、なに言って……」 「黒木さんに恋をする私でも黒木さんは私のことなんとも思ってません……だから……」 別に自分の身を守りたい訳じゃない。 私は今は黒木さんの彼女かもしれないが、それは堂々と言えるようなものじゃないんだ。 偽りの恋人ごっこをやっているだけ……なのに私に何かあって黒木さんに迷惑かかるのは嫌。 「もう私のことはほっておいてください、近々バッサリ振られるんですよ」 私の発言に三人揃って口を閉ざしてしまった。 そりゃあ勝手に語られても困るよね。 それでも……振られるのには変わりない事実なのです。  
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