第九章

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「……こっちだって本気。黒木が本気の付き合いしてるならこっちは本気で結婚の約束したんだけど」 「「え」」 「闇、なんで驚く」 「あ、いえ結婚の約束なんて初耳なもので」 にっこりと笑ってる透兄さんにこれは嘘なのだろうかと思った。 そもそも私は透兄さんとの昔の思い出すら忘れているのに、結婚の約束をしていたとしても忘れているだろう。 「俺は闇に指輪を贈ったんだ。瞳と同じ……宝石が埋め込まれた」 「持ってるのか」 「イエス、持ってます」 聞かれたことを正直に答えるとまた頭を叩かれた。 黒木さんすぐ叩く……仮にも彼女なのに。 叩かれたところを押さえながら透兄さんを見れば親指を立ててこちらに向けてウインクをしてきたため黒木さんの背に隠れた。  
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