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質問をしようと、彼女と向き合う。改めて見ると、少女は美しかった。自分の物とは真逆の、翠玉のような瞳。絶妙なバランスで整った鼻梁、顔へ彩りを加える、鮮やかな桜色の唇。
頭の角と後ろの大きな翼が恐ろしくミスマッチなのだが、しかしそれが少女の容貌を引き立てる。
「ど、どうしました……?」
「……いや、何でもない。君、魔族だよな?」
思わず見惚れそうにもなるものの、少し目を瞑って気を取り直し問いを投げかけると。
「え? なんで……って。いえ、違います。魔族ではありません!」
「角と翼が見えてるんだ、言い逃れはほぼ無理だろ」
「へ!? あ、あれ……どうして隠蔽魔法の効果が切れてるのですか……!」
少女がどこからか鏡を取り出し、今になって慌てるが、色々と遅い。
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