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「驚いたりしないで下さいね?」
「念押しばかりされてもな。まずは言ってみな」
「そうですね。実はですね、私は──」
少し念押しが過ぎ、男にせっつかれる少女。だがそれが機転になったのか、一度深呼吸をすると、続きを口にする。
「──魔王なんです」
「……そうか、成る程。それは驚きだな」
「何ですか、それ。反応薄くありません? 魔王ですよ、魔王!」
彼女のその独白は突拍子もなく、ついでに言うならば信憑性も薄かった。美少女魔王など、どこの世界の娯楽モノであろうかと男は一笑に付すが、もしも本物ならば、と言う一分の可能性に賭けて一つ問い掛ける事にした。
「そう言われてもな。先だ……いや、ダインは元気か?」
「! ……どうして、その名前を? 確かに、超が付く程元気ですけど」
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