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「先程は失礼しました……」
「いや、俺も悪かったよ。もう少し言葉を選ぶべきだった」
「いえいえ、そもそも未熟な私が……」
「いやいや、それを言うなら……」
「いえいえ……」
「いやいや……」
暫くして。気絶した少女が回復するのを待ち、謝罪を皮切りにやり取りを再開。遅々として進まない会話の中で男が僅かに格子窓から外を覗けば、早くも日が傾き始めているのが遠目にも分かった。
「……まあ、話は飯を食べてからにするか。作るけど、食えるか?」
「是非お願いします。量も多いと尚嬉しいです」
「言った本人が言うのも何だが、少しは警戒心を持ったらどうだ……」
敵種族である人に食事を提案され、即答した少女の警戒心など、最早どこにも有りはしなかった。
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