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 人里から遥か遠い山の中。最も近い寒村で、軽く十数キロは離れているだろうそこに男が住んでいる。  人が知る事のないその山中には獰猛な獣や、魔物と呼称される化け物が多数生息しており、およそ人の住めるような土地では無い。だが、彼はそこにただ一人で暮らしていた。  今日もまた家から少しばかり離れた畑を耕し、山に分け入って獣を狩猟し、この日も何事もなく過ぎていく筈であった。  丸太で組み上げた、ログハウスのような家の前に、何者かが倒れているのを見つけるまでは。
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