ぷろろーぐ

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 倒れているそれに寄り確認してみると、少女だった。一メートル半程の体格で、うつ伏せに倒れている為に顔は見えないが、肌の色は初雪を思わせるような、穢れのない白。髪色は夜明け前の空を写したかのような深い藍色。彼としてはここまで美しいモノを見たのは初めてであった。  しかし、それ以上に目を引いたのは、絹糸のように細やかなその髪に似付かわしくない、禍々しく反り返る黒い角と、これもまた少女の体躯には不似合いの、邪悪な雰囲気を放つ黒く大きい翼。  その二つの黒は昔の彼にとって、事ある毎に見ていた物であり。その存在を認めると、どういう事だよ、と呟き空いている手で頭の痛みを堪えるように額を押さえた。  そして、空いた手で少女を小脇に抱えると、ログハウスの中へと消えていった。
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