いち

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 少女を家に持ち帰っ……保護した男は彼女を手製のベッドへ寝かせ、自身はその側の木製の座椅子に腰掛けた。そして、少女の身体の様子を目視で確かめる。  状態を見る限り、何か怪我がある訳でもなく、魔力の流れを見ても、疾患の類は見られない。ただ家の目の前で行き倒れていただけのようだ。この秘境の山奥では、それは明らかに異常なのだが。  彼が確認を終えてそのまま眺めていると、少女の口が微かに動いている事に気付く。咄嗟の事で、慌てて口元に耳を寄せる。 「み……み、ず……」 「水か。待ってろ、取ってくる」  言葉を聞き届けるとベッドのある部屋から出て行く。二分程してから部屋に戻ってきた彼は、木製のコップを手にしていた。
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