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(…………大体何で助けること前提になってんだ?)
「……うぅ」
とは言え連れて来た以上はこのままにするわけにはいかないだろう。
「ホラホラ、早く回復してやれよ!」
「……ったく。しょうがないな……
かのものの傷を癒せ!
ヒールエイド!!!!」
白い魔法陣がレイラを取り囲み、腹の傷を癒していく。彼女の傷は瞬く間に完治した。
「……これは……
治癒魔法……」
この【センドラル】の大陸には多くの【魔法】が存在している。
だがそれを【魔術】として扱えるのはエルフと呼ばれる種族だけである。
人間にも【マナ】という【魔法】を【魔術】へと変える物質を理解し、多く取り込んだものには扱えると言われているが基本は扱うことは出来ない。
ーー他にもうひとつだけ、【魔術】を扱える種族がいるのだが……その話は置いておこう。
レイラの傷を治した【治癒魔法】ーーこれを術として扱えるものはエルフでも珍しい。だからレイラは驚き、呟いたのだろう。
「ーー驚いたな。ひとまず……ありがとうと言うべきなんだろうな」
レイラは立ち上がって二人に笑いかける。が、感謝もそこそこに彼女は直ぐに違うことを問いかけてきた。
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