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私は目が覚めてから私
「・・・い!
おい! ナギサ!」
あれ、今まで何をしてたんだっけ、司かな?もう朝だって起こしにきたのかな?ぼんやりと目を開く、知らない天井だ。何事かと思って体を起こそうとすると、あまりの痛さに意識が覚醒する。
そうだ、私はゴーレムと戦って・・・!
「みん、な」
「意識が戻ったぞ! 起きろクラウド、エリック」
激しく痛む体に鞭を打ち、何とか体を起こすと、何処かの建物の中に居るのだと気がついた、少し違うけど宿屋のものであると推測される。
宿屋のベッドに私は寝かされていたのだ、あたりをぼんやりと見てみるとアルフが立っていて、ソファーで横になっているクラウドとエリックに声をかけている。
「ナギサ、大丈夫か?」
「もう、皆大げさだな、たかがデスペナルティくらいじゃ
そんなに困ったりしないよ?」
町に居るのだから、私は死んで、町に戻されて
三人で勝って戻ってきたのかな? 皆に迷惑かけちゃったかな
やけにクラウドが心配そうな口調なのが気になった
「ナギサ、よく聞け
お前は一週間、ゲームの中で昏睡していた」
え?、昏睡ってあの、ずっと寝てるって言うアレだよね?まさか、そんな重いペナルティがあるゲームなんてPTAとかから苦情が来るに決まってるし、DF運営がそんな思い切ったことするとは考えにくい。
「もう、みんな、からかわないでよ
いくら私だって、騙されたりなんかしないよっと」
「・・・」
ドッキリ失敗かーっていう流れにはならなかった、何でだろう、未だに続けても私には意味が無いのに
「嘘、もしかして本当なの?」
「ああ」
こういう時に笑い出しそうなアルフでさえ真面目な顔をしていた、クラウドの短い返答に、私は声をあげることができなかった
「俺たちは、廃人だし大丈夫だが
お前とお前の家族はそうじゃない、意識が戻ったのなら
早く現実に戻れ、ゲームにダイブしたまま
一週間だ、これは不味い事態になっててもおかしくない」
それもそうだ、彼らはここで嘘をつくわけがない、急いでログアウトしないと・・・!
「ごめんね、申し訳ないけど一旦戻る
パソコンの方のDFで連絡するから・・・」
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