私はVRMMOの中でも私

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私はVRMMOの中でも私

ドキドキして眠れないと言ったな あれは嘘だ、った 物の見事に眠りに入り、もう昼前だ 飛び起きて、居間の方へと出て行くと 母親が、玄関の方へと指差した そこには大きめのダンボールが置かれており DF運営からの荷物だな、と理解した それなりにかさばるので、自室へ持っていくのに やや苦労したが、期待の方が断然勝っていたので 体をぶつけてもお構いなしだ ダンボールを床に置き、早速、ガムテープを剥がし 中身を取り出してみる 「ヘルメット・・・のようなものは  予想していたが、重いな」 VRの要であろう、頭に被るタイプの機械だ 持つと5、6kgはあるかとわかる これは横になってないと首が痛くなって死んでしまう DF専用VRギア、DF運営特有の安直な名前だ しかし、これだけにしてはダンボールが大きい 続けてダンボールを漁っていくと 「何だこれ・・・病院とかでよく貼るような奴だ」 正式名称がわからない、無知が垣間見えたな どうやら、VRギアに差し込む所があるようで コードの先には体に貼るのだろう四角形のパッチがついている 説明書を発見、読んでみると どうやら全身に貼らなくてはならないらしい どうりで8つ程もあるわけだ そして、安全のために、パッチが見えるような 服装にしてください、と書いてある そんな都合のいい服を着てない 服を脱ぎ捨てて、準備を再開 服を脱いで怪しげなヘルメットとパッチをつけているのを 客観的に俺は見たくない 「よし・・・これで準備完了か?  って、まだ何か入っている、誓約書と  何だこれ 錠剤?」 このゲームをプレイした際に 起きた問題は、一切責任を取りませんので・・・云々 DF運営も、小心者だな VR系はいくつもあるが、大した問題は起きてないというのに サインを早々し、気になったのは錠剤だ 「えーと、ゲームを楽しむ為に  現実の貴方と、ゲーム内の貴方の違いをなくす為に  用意しました  服用すれば、よりゲームの貴方になることでしょう   服用するもしないも自由です、服用する場合は  必ずプレイごとにお飲みください」 なんだこれ、ロールプレイのための薬か何かか? ロールプレイヤーとしては、興味がある 毎回飲まないといけないのが面倒だがこの際、いいだろう
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