私は下方修正を貰っても私

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「おい、ナギサ!  ナギ・・・」 あれ、俺は・・・? さっきまでクラウドのそばに居たのに、物凄く遠いな クラウドだけでなく、エリックも、アルフも、ゴーレムでさえかなり離れた位置に居るのが、ぼんやりと分かる。 身体が動かない、息するだけで痛い そっか、この距離まで殴り飛ばされたんだ。 直撃を免れたのか、それとも運が良かったのかまさに1ドットのHPが残っているのが分かる、戦わないと、皆が待ってる・・・ ・・・ ようやく、朦朧の状態異常が解除され 動けるようになり、目を開けると、エリックとアルフが近くにいるのがわかった。 HPを見ると、あれだけのダメージを負ったのにも関わらず、緑になるまでHPが回復している、ナギサが回復させてくれたのだろう。 ゴーレムは、攻撃が空ぶったのか拳を横へと振りぬいている。 攻撃のチャンスだ、投げ捨てた片手剣を拾わないとな それにしてもエリックとアルフは何をしているのだろう、ゴーレムを見ているのは確かだが、やや視点が高い気がする。 何を見て・・・、不意にゴーレムの拳の先を見てみると、血と思わしきものがべっとりとついているのがわかった、ゲームだろこれ、なんでそんなもんがついているんだ、全年齢対象のだからそういうのは無いはず いや、それよりもアレは誰の血だ? エリックやアルフはダメージを受けているものの、出血はしていない、当然だ出血という状態異常はあるが、実際に血などでないからだ。 「なんだよ、これ」 必然的に対象は一人しかいないことになる 振りぬかれた拳の先を見ると、赤く染まった地面に、倒れこんでいる人物、その対象 ナギサが倒れていたのだ。 ここから先はあまり覚えていない、覚えているのは、我に返ったであろう二人と共にゴーレムへと猛攻をしかけたということだけだ
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