私は目が覚めてから私

2/16
前へ
/64ページ
次へ
短い間に連続で起きるというのも変な話だけど、私は目を開くと、また知らない天井だった、現実へ戻ってきたというのならば自分の部屋の天井が見えるはず、体を起こしてみると一目で此処が何処だかわかった。 病院にいるのだ、周りに他のベッドが無いあたり、個室なのだろう、腕には差し込まれた点滴の針とそれを固定するテープが張られていた、そういえば、未だにVRギアを被っており、体にパッチも張ってあるな、とぼんやりとだけわかる。のんびりするのに邪魔だろうし外してしまおう とヘルメット状のギアを頭から抜き取るとパサッと髪が解放された、少し違和感を感じた、此処は現実世界であり、髪はそこまで長くは無いはずなのだ、髪の毛を触るとサラサラで一つの痛みも無いケアされた感じであろう感じだ。 まさか、一週間でここまで伸びるなんて事はないだろうと、疑問に思いながら邪魔なパッチを外そうと胸の方に手をやる 予想していたよりも早くパッチのついた胸に手をやることが出来た、何かが可笑しいと、ようやく覚醒した目で視線を下げると 「・・・え? なに、これ」 胸が付いている、最近では見慣れた胸が私自身についていたのだ、一瞬ゲームの世界から戻ってきていないのかと錯覚したが、外されたVRギアを見てそれを否定した。 とりあえずパッチを外してしまうことにした、もう片方の胸につけていた一つとおなかの左右、両足の太ももに両腕。 外した後に改めて体を見てみる、真っ白で触ると吸い付くようにきめ細やか、私好みな理想の体つきをしている。 とりあえずほとんど全裸なのが気になって、掛け布団で体を隠す、どうなってるのか理解が出来ずに私は混乱するばかりで私の挙動は可笑しくなったといっても過言ではない。 夢の可能性が高いはず、先ほどから寝たり起きたりで忙しいな、なんて思ったりしながら布団を被って目を閉じる。 覚めない夢に段々と不安を感じながら、早く目を覚ますことを願い続ける。それにしても寒い、夢の中とはいえ服を着てないなんて私は変態なのだろうか・・・ ガラッ、扉が開くような音が聞こえた気がするが、早く目を覚ますことに私は必死だった。
/64ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加