私は目が覚めてから私

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「落ち着いた?」 「うん」 「それなら、その、前は隠してくれると助かる」 少しの間、感情を外へと発散し、ようやく一息ついたところで、司の一言、それを聞いた瞬間、ハッと下を向くと、片手ではこぼれてしまうような胸が主張していたのを思い出した。 落ちついたはずの精神が、羞恥によって再度乱れ、顔が一気に熱くなったのを感じた、鏡を見れば私の顔は真っ赤になっていると思う。 「ご、ごめん  変なの見せちゃって」 「あ、いや  デリカシー? が無くてこっちもごめん」 お互いに謝った後、会話が途切れてしまい、気まずかったのか 司は私が着れる物を買ってくると急いで病室から出て行ってしまった。 でも、私の心は少し落ち着いた、司が私を私だと知ってくれていることは嬉しいことだ、もしも司が居なければ私はどうなっていたか。 そういえば、自分の事を良く確認していなかった、ベッドから足を床へと下ろすと、ひんやりと冷たい感覚があった、スリッパなどの履くものがないので素足だから、そして少しだけ肌寒い それもそのはず、私が今見につけているのは、ダイブするときにだけ身に着けていた下着だけなのだから。 移動して鏡を見てみると、まさに私の理想の女性がそこにいた、DF21でのナギサにそっくりだ、自分で作ったのだからそれは理想な容姿なはずだ、黒い髪な事と、ややおなか周りが痩せている事以外は、ほとんどナギサと差は無い。 今まで少し他人事に鏡を見ていたので、あまり気にしていなかったけども、自分とハッキリと意識すると、男性物の下着をつけ、半裸で立っているという変態的な事をしているという事に気づき、赤面してしまう ドキドキと心臓が鼓動を速めているのを実感しながら、自分をマジマジと見る、片腕を横向きで胸に押し付け隠している姿を見ると更に鼓動が早まった、我に返ると、私は何をしているんだろうと慌てながらベッドへと戻った。 ここにはパソコンが無いので皆に報告が出来ないなあ、と思っていたのだけど、この状況をどう説明すべきなのか、そもそもするべきなのかを悩んでしまうのだった。
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