私は目が覚めてから私

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ベッドでのんびりすると、ノックと共に、司の声が聞こえてきた、返事をして、中に入ってもらうと、司は腕に、シンプルな無地の薄い桃色のパジャマを抱えていた。 それを受け取ると、掛け布団をバサッとどかして、おもむろにパジャマを着る私、司が大慌てで声をかけてくるがお構いなしだ。 「つかさ、これ小さいんじゃない?    苦しいよー」 「身長を伝えて選んでもらったんだけど  あっ・・・」 パジャマの下は普通に着ることが出来たので、上だけサイズが違うのかと思えば、どちらも同じサイズであることがわかる、というかセットなので違うということが有り得ないのではあるけれど。ボタンを全部しめるとやっぱりキツイ、なので上のボタンを何個か外すことで少し楽になった。太っているわけではないのにお腹が全部隠れないので少し寒い、なので掛け布団をかぶせた。 少しの間、司と雑談をしていると、司はハッとして、医者を読んでくると病室を出て行った、先ほどは別の事をしていたので気にしなかったが、司が居なくなると寂しい気持ちになる、患者は毎日こんなに孤独な気持ちを味わっているのかな、と思った。 一人になると、自分の事を考えてしまう、私の体は何故、女性になってしまったのか、もしかして何かの病気なのか、そして私はこれからどうやって過ごしていくのか、司と喋ることでごまかしていた感情が表へと出てきて、ネガティブに考えてしまう。 色々考えていくうちに、尿意を催してしまった、起きると手洗いに行きたくなるのはよくあることで、私はベッドから降りると、司が用意してくれたのか、スリッパを履いて、扉へと向かう、パジャマが届いてからで助かった、半裸で外になんてとても出られない 点滴と共に、見慣れない院内を歩いていく、きょろきょろと見回すと割とすぐに見つけることが出来た、それにしても先ほど催したばかりというのに、もう我慢するのが辛い、早足でトイレへと入ろうとしたとき私は足を止めてしまった。 病院は共用のトイレであることも少なくないのだが、此処の病院は男女別々、普段ならばむしろ嬉しいことなのだが、私はあたふたと男女のマークを交互に見る。 「これ、どうしよう」
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