斉藤 梓菜

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細いけど柔らかな感触、暖かさ、安堵感。 色々な感覚が自分を満たして、なんだか溶けそうになった。 少しきつめに抱き締めて、頭を肩に乗せる。 「ねぇ、唯?」 こうしてる時間が一番落ち着くよね。 そんな言葉は直接言えやしない、恥ずかしい。 「───好きだよ、ずっと」 聴こえるか聴こえないかわからないくらい小さくそう言った。 心臓がバクバク聴こえて、掻き消されたのではないかと疑うほどに、心臓は跳ねている。 「私も」 身動きしたアイツはこちらを向いて、目が合う。 光を反射させてキラキラしてて、口端は上がってる。 なんともないですよ、って思わせたいらしいけれど、もう笑顔になりそうじゃん。
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