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「気にするな。敵の思うつぼだ。タツオは逆島家のトップらしく、悠然(ゆうぜん)としていればいい」  それはタツオには、もっとも苦手なことだった。向かいの2段ベッドで、暁島会のテルがあざけるようにいった。 「いよいよ秋の最終決戦か。おれは悪くないと思うけどね。ちまちまとタツオの暗殺を謀(はか)ってくるようなやつらは、一気に叩かなきゃダメだ。やつらの息の根を止める。なあ、タツオ、それでいいんだよな」  タツオは自分の息が止まりそうだった。返事もできずに、いつまでもビラを握り締めたまま上段のベッドで硬直していた。
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