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 その夜、タツオはベッドで質問した。2段ベッドの上段にタツオ、下段はジョージである。 「さっきの佐竹さんの話、ほんとうなのか」  この養成高校にくる前に、ジョージが戦場にいたことがあるというソウヤの推定だった。ジョージはすでに人を殺した経験があるのだろうか。暁島会のボディガード、テルのように。 「今は話したくない。というより話せないんだ。しばらく時間をくれ。いつかタツオにはすべてを話す日がくる。約束する」  そこまでいわれたら、友を信じるしかなかった。タツオは居心地(いごこち)の悪い眠りに就(つ)いた。夢のなかでは、五十嵐(いがらし)も浦上(うらかみ)も生きていた。水鉄砲を撃ちながら、嬉々(きき)として水着で決勝戦を闘っている。タツオの胸は躍ったが、真夜中に目覚めると悲しみで、同じ胸が潰(つぶ)れそうになった。 「起きろ、タツオ」
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