第47話

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　肩を揺さぶられて、タツオは飛び起きた。敵の襲来だろうか。目の前でクニの長髪が揺れている。

「なんだよ、今、何時だ？」

　軍用の腕時計を見る。午前５時半。朝が早い養成高校でも、まだ起きている生徒はすくないだろう。クニが紙切れを差しだしていう。

「こいつが学校中にばら撒(ま)かれている。いいから読んでみろ」

　眠りが浅かったせいか、なかなか意識の焦点があわなかった。それでも無理やり紙切れに目をやると、最初の一行で冷水でも浴びたように精神が覚醒した。

　五王連合と暁島会の暗闘で死者２名

　見出しが強烈だった。そのしたには、五十嵐と浦上の両養成高校生徒の顔写真が並んでいる。その後の記事は簡潔だった。

　五王連合と暁島会の勢力争いが激化して、ついに進駐官養成高校にも飛び火。生徒の逆島断雄を狙った襲撃事件に端(たん)を発した闘争は、ついに生徒の死者２名を生んだ。五十嵐は逆島派の暁島会、浦上は五王重工と東園寺家の五王連合、それぞれの秘密会員であるという指摘だった。ほぼ事実に即した内容だ。