彼女

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(俺 何の為に生きてるんだろう? この先 どうしたら良いんだろう…)       5年前   「神山先輩 卒業おめでとうございます。」   「ありがとう。これ 尚美にあげる」   当時 学ランの第二ボタンを 好きな子にあげる事が流行っていた。   鹿沼市立北山中学校を 卒業する 神山巧も 後輩の手塚尚美に 第二ボタンを渡した。  2人は 付き合ってはいないが お互い想い合っていた。  尚美は 嬉しさと寂しさで胸が一杯になり 溢れそうな涙を堪え 両手で受け取ると 大事そうに 胸に抱え込んだ。   「私ね 神山先輩と同じ高校に行くね。」   「あんな学校 止めとけ、あそこは 俺みたいな 馬鹿が行く所だよ。」   「私 頭 良くないよ…」   巧は ヤンチャだが 成績は 中間位で 先生達は 県内では上位の普通科に行って欲しかったが 巧は 将来牧場で働きたいと思っていたので 自宅から近い 県内でも 下の方の 栃木県立南農業高等学校を受験した。
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