彼女

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 4月 桜が散り始める中 栃木県立南農業高等学校でも 入学式が行われた。   この学校の制服は 男子は まだ学ランで 女子はブレザー ちょっと古臭い制服だった。 巧は 中ランに 白いベルト ズボンは 太股が太く 裾が極端に細いボンタン姿で 初日から先輩達に 目を付けられた。   案の定 巧が来るのを 校門で待ち伏せしていた。   (あれは 2年生かぁ…しかも 6人… 勝ち目無いな…)   どう見ても パシりの先輩が巧に近づき   「お前 ちょっとこっちに来いよ!」   「先輩 何の用っすか?」   巧は 6対1と言う勝ち目の無い危機的状況を どうやって切り抜けるか考えた。    (ボス格だけを狙うかぁ…)    「お前 随分生意気な格好してるな!」   「そうっすか?でも だからと言って 6対1って言うのは ダサく無いですか?」   「何?!」   胸ぐらを掴まれた時 ボボボボ!! 低いマフラー音を響かせ 車高を低くした どう見ても一台の族車が止まった。
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