第1章

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今日はいつもより都市が暗いようだった。雨が降ってるとか、夜とかそういうわけではなく周りのにんげんの生力がないというか、人が人でないような…そんな感じがするのだ。なぜかはわからない。気のせいだと自分自身に言い聞かせようともした。だが…やはりおかしい。ここ、真光都市 は、日本の誇りとも言われている。都市の広さは日本の東京ほど。結構大きいと言われているみたいだけど、住んでるこっちからしたら小さく感じてしまう。真光都市に住み始めれば真光都市から出ることは許可がいる。もちろん、入るときもだ。真光都市は世界でも五本の指に入ると言われている位警備や監視が厳しく、それでいて都市に住む、幼、小、中、高、大、の学生たちが通う学園は世界一を争う位のレベルだそうだ。そんな都市が、今日は少し様子が違うということで違和感を感じている。普段なら明るく、賑やかで…言葉では説明なんてできないけれど、いい都市だったんだ。それが今日は何かか違うようだ。何かあったかな?と考えてはみるのだけれど何も思いつかない。夕暮れの空をカラスが飛んでゆく。そのカラスの姿は黒い、黒い真っ黒な影に見えた。僕はゾッとし、身を震わせた。今は夏なのに…風邪でもひいたかなとまた一つ頭に疑問を浮かべた。そして萎んで消えてゆく。その時、ビルの液晶からあるニュースが流れた。『あの謎の事件から今日で一週間が経とうとしています。高校二年生の生徒4名が誰かに襲われ3人が記憶を失うとい、1名死亡という事件のことです。まだ犯人は捕まらないのでしょうか。情報についてのご協力今後ともよろしくお願いします。…では、次のニュースです。…』ニュースアナウンサーがたんたんと喋る。そう、あの事件からもう一週間が経とうとしていた。さっきも言っていたが、4人の高校2年生が鈍器のようなもので後頭部を殴られ、1人死亡。3人記憶喪失。殴られたときの傷跡が同じなことからして狙って犯行されたとみなされ殺人という罪で犯人を探しているようだ。万全な警戒と監視と言えど、やはり監視カメラなどの目を避けることは可能だったらしい。そうか、あの事件からもう一週間か。僕は思うのだけれど、人の記憶とは残酷だなぁ…と。嫌な記憶ほど忘れない。僕にもそんな記憶があるのだろうか。いや、あったのだろうか。そんなことを考えながら僕は歩く。行く宛などないけれど…。突如頭が猛烈に痛くなり僕の視界は眩んだ。
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