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「だから、俺が殺すことで『殺したい』っていう本体様の欲求がなくなるんだよ。殺意のない人間なんていねぇよ。馬ァァ鹿」
は?え、じゃあ僕の殺意はこいつ…で…僕は人を殺したいって本当なら思ってるっていうのか?
そんなの嘘だ嘘だ!!!
「嘘だっ!!!」
信じられるわけないだろ。お前がいなきゃ殺意が溢れて僕は人を殺してるのか!そんなの嫌だ。しらない人でもみんな生きる権利があるのに…。そんなの思ってない。思えない!!!!!!
「信じるとか信じないとかどーでもいーけどよ…お前がここに来たってことはバトンタッチ…交代ってことだ」
僕とこいつが交代?
「ここでお前が人を殺せば俺は何もしないで済む…けどお前が人を殺す勇気がないなら俺は外で殺人鬼となるだろーな。わひゃひゃひゃひゃ!それは面白そーだ!こいつは人を殺す勇気なんてねぇもんなぁ!?」
そんなの嫌に決まってるだろ。そんなのできるわけないだろ…そんなのあり得ないだろ…。
「じゃあな…『殺意』」
待ってよ…ねぇ…。そんなの嫌だ。
誰か…助けて。唐突にあることを思いついた。けしてやりたくはないけれどいつかまた、こんな風に戻れるのなら…戻って僕が殺人鬼となっていたら困る。だったら…だったら…
殺るしか…ないじゃないか。
そうか、殺せばいいんだ。戻ったとき、幸せに暮らせるように。そのときにあの憎らしいユウヤを殺しちゃえば僕は2度とここに来なくて済むんだ。それでいいんだ。
「はは…」
簡単なことだったんだ。殺意を殺せば僕は殺意なんて感じる必要がないんだ。
「あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!」
殺さなきゃぁ…ね?僕はあいつの置いていった剣を持った。その剣は大きなカマへと変化した。僕はそれをまじまじと見つめる。
「うん。こっちの方がいいかも」
黒い塊のようでかっこいい。持つところも僕の手に合っているようだ。とても握りやすい。
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