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すると私の手にも日本刀が握られていた。
「くっそぉぉぉぉぉがぁぁぁ!!」
私は奈美2号を切り裂いた。真っ赤な血が私の顔、腕、体を真っ赤に染め上げた。内臓がぐちゃっと出てくる。
「…ぉえっ」
吐いてしまった。グロい…グロ過ぎる。目をつぶる。
「奈美2号はもう動かない…か」
目をつぶっていても分かる。これが人の死…か。自分を殺すのってなんか複雑…。目を開ける。そこは私の部屋だった。腕や体には血はついていない。寝てたのか…な?立ちながら?いくらなんでもそんなことはしない。奈美2号を切ったときの感覚が妙に生々しい。
「…っあっ…!?」
頭に電流が流れたような痛みが広がった。それはじわじわと私の脳裏を痛めつける。痛い?いや、痛くない。むしろ快感なのかもしれない。
「…あはは…!?はは!あぎゃはっ!うはっへっ…あひゃひゃひゃひゃ…!?」
奈美は狂ったように体をくねくねと動かしながら笑い出した。
「あーぁぁ…殺意という奈美2号さん殺しちゃったの?あはははー!僕がしなくてよかったよ!人の心の中に入るのは体力使うからさ」
全身真っ黒な少女が嗤う。
「ふふっ…これからどんどん人を殺していいんだよ?その代わり…この子達と話し合ってからね」
真っ黒な少女は私に写真を二枚渡した。
「弱そうなやつは田辺優弥、短髪は福永暁。2人とも君と同じさ。自分の殺意を殺してしまった哀れな高校生。その子達とこの汚れ切った世界を変えてみるといい。」
この汚れ切った世界を私が変えられるの?
「もちろんさ」
なら私はこの世界を変えたい…。
「言うことは言ったし僕はそろそろ退散させていただくよ。ばいびーん」
そう言って少女は背中から真っ黒な翼を生やし、窓から落ちていった。
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