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「あ、クロネコとひまわりじゃん」
日本中どこへ行っても宅配便のバンは走っている。
集荷に来ているのか、黄色い旗の掲げてある個人経営らしい店の前に緑色の車が停車していた。
その後ろには幌がかぶせてある『ひまわり商店』と横書きしてある小型トラックが停まっている。
幌の合わせ目から、バナナや大根が見えた。
「ひまわり商店って、サンフラワーかな?それとも日々回っている、のひまわり?」
「類、よく気が付くな」
オレたちは感心した。
類は言葉を大切にするタチで、細かなことにも気が回るんだ。
ひまわり商店のトラックに初老の男が野菜やら菓子を積み込んでいる。
別に車がジャマになっているわけではないが、男はこちらを向いて頭を下げた。
ご丁寧にどうもね。
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