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確かに。
車は動いているのに画面上のポイントは一箇所に停止したままだ。
「山の中で電波が入りにくいんじゃないですか？」
「そうかな？でも、急にだぜ」
「山の陰にでも入ったとか？」
「あれっ？あれれっ？」
類が画面を指差した。
カーナビの画面はゆらゆらと歪み、ザザッという不快な音を立てた。
続いて、タイトル画面と入力画面、３Ｄ表示と広域とパーキング表示という風に、カーナビの持てる能力を総て披露してみせる。
音声も、次の角を右に、とか、運転お疲れ様でした、とか、周辺の交通状況が変わりました、とか、立て続けに歯切れの良い女性の声で案内を始めた。
オレたちが戸惑っているうちに、カーナビは大活躍をして、そのうちついに、プツッという音がして、とうとう何も映さなくなった。
「あれえ？」
「オーバーワークか？」
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