放課後の日課

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『なんか久我先生って残念ですよね』 「は?何が」 『何ていうか、全体的に』 「どーゆう意味だコラ」 『そのままの意味です。はい、コーヒー』 久我先生の机にコーヒーを置いて、散らかってる資料をファイリングする どうしたらこんなに散らかるんだ… 資料を整理してると横から視線を感じた 横からって言うか、久我先生からなんだけど… 振り向いたらからかわれるの分かってるから無視しよう 全力で無視しよう 面倒だし ファイリングを始めてから約30分 やっと全部整理し終えた 『終わった』 「おー、お疲れ」 『帰ります』 「あ、ちょい待ち」 『なんですか、まだ何か?』 「ほら」 久我先生はポケットから何か取り出すと私に向かって投げた 落とさないようにキャッチすると、手の中でカサッと小さな音がした 『飴…?』 「やる。気をつけて帰れよ」 『…どうも』 あれ? なんかいい人に見える… 「キュンとした?」 『いいえ、全く』 「おまっ」 「失礼しました」 勢いよくドアを閉めると中から「あーぁ」って声が聞こえた 結局からかわれた 一瞬でもいい人と思った自分が恥ずかしいわ 『もう…帰ろう』 貰った飴を制服のポケットに入れてバックを持ち直す 校舎に部活動生や教室に残ってる生徒の声が響く 誰にも会いませんように… いつものように俯き、少し早足で急いで学校を出た
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