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─ピピピピ─
アラーム音が部屋に響く
『んー、ねむ』
ふぁーっと大きな欠伸をしてベッドからでる
まだ眠たい目を擦りながら一階のダイニングキッチンに行くと、見慣れない人がいた
「あら、おはよう」
『今帰ってきたんだ?』
「そうよ。洗い物と戸締まり…あと、ご飯も自分でね。お母さん寝るから」
『…』
「わかったら返事くらいしなさい」
『わかったから早く行けば』
背を向けたままあしらうように言うと、足音が遠ざかっていき寝室の扉がバンッと大きな音を立てて閉まった
『朝から憂鬱だ』
ソファーに倒れこみクッションをギューっと抱き締める
何だ、この気力を全て奪われた感じ…
『もう、親だと思ってないよ…馬鹿じゃん』
母親も父親も、昼夜逆転してる
私が小学生の頃からずっとそう
仕事柄仕方ないんだろうけど
親が家にいなくて寂しい
構って欲しい
そう思わなくなったのはいつ頃?
最後に親の手料理を食べたのはいつだろう…?
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