114人が本棚に入れています
本棚に追加
/397ページ
「池永君って、どんな人なの?」
「おっ! 真希ちゃんも興味シンシンなんだ?
やっぱ、お年頃の女の子なんだねえ~」
涼香ちゃんは、ひじであたしの肩を「このこの~」とつつきます。
「そういう訳じゃないけど……」
「池永隼人。小倉塚第二高校始まって以来の超問題児。
成績は赤点だらけで、遅刻・無断早退の常習犯にして、女の子絡みのトラブルは数知れず。
学年主任の佐々木先生からは、いつも目を付けられてて、特別指導で今まで何枚反省文書かされたか分からないくらい」
あたしは、思い切りドン引きしていました。
よりにもよって、そんな問題の多い人に『貸し』を作ったなんて。
涼香ちゃんはなおも続けます。
「で、池永のエピソードで面白いのは、そんな問題児ながら、女子生徒の人気は他の追随を許さぬものがあって、2月の……バレンタインデーには、他学年からの女子の分も含めて、70個以上のチョコレートとラブレター&ファンレターがヤツの元に殺到したらしいわ。
あまりの行列のスゴさに、途中で渡すのを諦めた人の分も合わせると、その数は100をゆうに超えたんじゃないの?」
最初のコメントを投稿しよう!