プロローグ~選挙事前運動~

6/10
前へ
/397ページ
次へ
(はわわわわ~//////)  男の子から、それもこんなにハンサムな人からじっと見つめられるなんて、あたしの17年間の人生の中では、一度もありませんでした。  震える握りこぶしを自分の胸に当てると、まるで壊れたメトロノームみたいに、スゴイ速度でリズムを刻んでます。 「おい。アンタ、何じーっと俺のことを見てんだよ?」  ちょっと乱暴な口調。よく見ると、右の耳たぶには星型のシルバーのピアス。  瞳の色と同じで、ちょっぴりくせっ毛なその髪は、ブラウンに染められてます。  まさか、ヤンキーさん? 「あっ、いや、あの、その……」  あたしは、すっかりテンパってしまいました。  クルッとかかとに重心をかけて、あたしの方に向き直った彼は、すたすたとあたしに歩み寄って顔を更に接近させます。 「//////」  耳まで熱くなって来た! あたしは、自分が仕出かした大失敗と、それにこの人を巻き込んでしまった申し訳なさ。 ……に加えて、よく分からない気恥ずかしさに顔を染めます。 「何そんなに照れてんの?」 「はっ!?」  見抜かれてる!(って、当たり前だけど) 
/397ページ

最初のコメントを投稿しよう!

114人が本棚に入れています
本棚に追加