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「どうだった!!勇者様は!」
大勢が詰めかけている玉座の間。
玉座には恰幅のいい年配の王が、いくぶんソワソワした感じで座っていた。
おずおずと部屋に入って来る姫と騎士達と魔術師達。
そして足元には…、
『ブヒッ』
「勇者様は何処だ!」
「その…。」
しきりに目をさ迷わせる勇者召喚組。
「早く申せ!何処だ!」
王の問い掛けに、答えるように一声。
『ブヒッ』
「あ、あの…。父上…こちらが…、勇者様です…。その、勇者の泉で洗礼も受けました…。」
おずおずと、答えるのは、先ほど勇者を迎えた王女であった。
ブタに紐を付けて、居たたまれなさに体をすくめて、次の言葉を待つ。
「な、なんじゃとぉー!」
その場にいた王と、宰相騎士達の悲鳴が響き渡った。
それから3日…ケンケンガクガクと会議会議会議…。
やっと出た結論は、とりあえず勇者様には、魔王討伐の旅に出て貰う。
勇者召喚が出来るのは、一代で一度だけ。
王女と、騎士と勇者様で魔王城に行って貰い、そんで帰って来る。
王は引退して、直ぐに王子に世代交代。
再度、勇者召喚を行い、本当の魔王討伐に出て貰う。
「よし!これでいこう!」
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