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「リュセリー王女、申し訳ありません!そんなつもりで言ったんじゃないんです!」
「いいのよ、クリストファー。全て私が悪いの…。
あ、ああ!止めて下さい、勇者様!
私のスカートは食べ物じゃありません!」
『ブヒ!』
「止めろ!このブタ!王女様に何をするんだ!離せ、ブタ!」
「ああ、駄目よクリストファー、勇者様に乱暴は!
勇者様、これでも召し上がって下さい。」
『ブヒッ、ブヒッ。』
「「ハアァァ~。」」
馬車を降りた2人と一匹。
旅の戦士と、魔術師と、そのペット…といった出で立ちだ。
「クリストファー、ここからは目立ってはいけません。
私の事はリューと、呼び捨てにしてください。」
そう、ブタが勇者とばれないように、目立たなくさっさと行動しなければならないのだ。
「王女様…。お痛わしい…。ならば自分の事はクリスとお呼び下さい。」
ひざまずいて、騎士の礼を取る。
『ブヒッ』
「お前に言ったんじゃない!」
拳を震わせながら、クリスは怒鳴り声を上げる。
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