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俺はわけがわからなかった。
鏡を開いたら突如湧き出てきた煙。さらにそこから出てきた人間。それも自分そっくりの。
「オッス!オラ悟k(以下略)」
いきなり何を言ってるんだコイツは。どうやら性格は真逆のようだ。
「そもそもお前誰だよ?」
俺が単刀直入に聞いたところ、ソイツは
「地球育ちのサ○ヤ人。嘘。お前の分身」
は?
ますますわけがわからない?分身?なんでいきなり?
あとお前そろそろドラ○ンボー○ファンの人たちにキレられそうだけど大丈夫か?
「あー、もしかして『双子鏡』って知らずに開けちゃったパターン?」
双子鏡。それを開くと自分そっくりの人物が現れるという、この地域では有名な都市伝説である。
実は俺はオカルトの類が大好きで、都市伝説もその範疇内なので、双子鏡のことはもちろん知っていた。当然ながら実在するとは微塵にも思ってなかったが。
そこで俺は俺に聞いてみた。
「じゃあお前、俺の野望知ってるよな。俺と共有してんだろ、記憶をよ」
そう。双子鏡で現れた者は、その元となった人物の過去の記憶を共有してるらしい。つまり奴が本当に双子鏡によって現れたなら、俺の野望を知っているはずだ。
すると、
「たりめーだ。親父さんの敵討ち…だよな?」
確定だ。さっきの鏡は正真正銘双子鏡だ。まあ別物(それこそ孫悟○)だったらそれはそれで面白いが、その後の展開は本物でなければできないことだ。
「だったら話は早い。俺の復讐に協力しろ。」
利用できるものは利用する。それが野望のためなら尚更だ。俺はこの男を味方につけることにした。
しかし、いくらクローンだからとは言え危険なことに首を突っ込みたがるとは…
「いいよ」
待て待て待て待て。流石にその決定はノリが軽すぎる。適当に返事してるか、最悪何か裏があるかも知れない。
まずコイツの真意を確かめることにした。
「オイオイ、流石にそれにYESって答えるには簡単すぎじゃないか?」
「協力要請したのはテメーの方だろ」
「そうじゃねえ!普通の人間ならこんな危ねーことに首突っ込んだりしねーだろ!オメーまさか…何か企んでないか?」
「人聞き悪いなー。何も企んでねーよ。」
何も企んでないと言うより何も考えてないの間違いじゃないのか?そう思った時。
「ただ…お前と殺したい相手が同じってだけだ」
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