第三章

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車窓の外から隣に座る彼女に目を向けると、彼女もまた車窓の外に目を向けていた。 「ああ、これで良かったんだ」 課長も納得してくれた。これで不倫は終わったんだ。もう泣かなくてすむんだ。君はこれから好きに生きていける。 心の中で付け足して、再び流れる景色に目をやった。 30分電車に乗っていたが、俺たちが交わした会話はこれだけだった。
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