第二章♯2

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ここまでくると、流石に官能の波が理性を乗り越え始める。 彼女の手が、まるで蛇が這うようにTシャツの中へと潜り込んできて、俺の背中を無償に熱を帯びた掌で直に擦る。時々爪を立てて。 ゾクリとした快感の電流が一気に体の中を駆け巡り、痺れてしまいそうになる。 「……っ」 声にならない吐息が勝手に漏れてしまう。 こんな状況下で彼女と関係を持ってしまっていいのか? 部下だぞ? 上妻課長の不倫相手だぞ? 愛莉の親友だぞ? ……そうだ。 彼女は小早川若菜だ。 これ以上は流石にまずい。
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