第二章♯2

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「小早川さん……」 「って、嘘。本当は……楽になりたかったの。課長を見返してやりたかった」 見返してやりたかった? 「だって、私ばっかり耐え忍んで馬鹿みたいじゃない?私がこうしている間にも課長は家族団欒して奥さんとセックスしてるのよ、今だってきっと奥さんに必死に私との言い訳をしてるんだわ」 そう言う彼女は、口は笑っているが目は笑っていない。むしろ、天井のライトを浴びているからなのか、瞳が潤んでいるように見える。
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