第1章*

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「あっ、花火始まる」 まゆが携帯の時間を見て言った。 「えっ嘘!どこか見えるとこ行こ!」 と、定番の場所へ行こうとしたらまゆが私の腕を掴んだ。 「どうせこそっち、混んでるでしょ」 「あああ、そっか!じゃあどどどどこ行こう!?はは早くしなきゃ始まる!」 「ちょっとぐらいいいよ。私秘密の場所知ってるんだ」 ニヤッとまゆが笑う。 「え、ホント!?さっすがまゆ!じゃあ早くそっち行こう!」 「待って、林檎飴買ってくるから」 「ええ!ははは花火が「うるさい。いいから、そっち行ったらそのまま帰るの!だから林檎飴買ってくる!」」 まゆが被せて言ってきた。 は、迫力… 「ほら、かりんもなんか買って行こ」 「…はい」 負けました、まゆ様。 可愛いくせして!! でもまぁ、だから心許せるけど。 「かりんは何買う?」 林檎飴をゲットして嬉しそう。 甘いの好きだもんね、まゆ。 なんて女の子らしい。 林檎飴似合いすぎ!!ちくしょうめ!私も似合う女になりたいぜ! 「んー、どうしょっかなー」 すると、『ラムネ』という字が目に入った。 「あっ、ラムネ買う!」 「かりんラムネ好きなんだー」 「うん、好きだよー。あのしゅわしゅわ感がたまらん」 「オヤジみたいな言い方やめて」 「………オヤジ…」 私、そんなにオヤジくさいかな。 前クラスの子にも言われたよ。 …悲しい。 「ほい、ねぇちゃん。300円ね」 「はーい、ありがと!おっちゃん!」 「いーえ、元気がいいな!ねぇちゃん!」 元気のいい『ねぇちゃん』だって! 初めて言われたよ! 私、オヤジ以外に初めて言われた! ねぇちゃん…ねぇちゃん… いい響き… 「よーし!じゃあ、行こっか♪」 まゆさん、かなりるんるん気分です。 そんなに林檎飴好きなのね… 林檎飴になりたい… 「あっ、え、ちょ、まゆ早い!」 「だってー、早く林檎飴たべたいもーん♪」 まゆがスキップで秘密の場所に向かう。 え、まじで速いんですけど! あなた浴衣でしょ!? …見失ったら迷子になるじゃん! 私方向音痴なのに! 「ま、待ってー!!」
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