第1章

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こんな人生が、ずっと続くのかと思うと息が詰まりそうになる半面、変わらないでいたいと思う気持ちもまた半面だ。 要らなくなった印刷物をシュレッダーにかけながら 妄想に耽る。きっと、世の中の大半の人は このままでいいのかと思いながら なんとなく日々を生きているのではないかと思う。 仕事をしている中で、このシュレッダータイムは 気晴らしになるので何気に気に入っている。 シュレッダーを終え、自分のデスクに腰掛ける。 いつも通り受注の確認をし、必要に応じて伝票を作成する。 パソコンの画面にちらつく細かい文字が目の元気を奪っていく。 ブルーライトカットのメガネを念のためかけているが 実際効果があるのかどうかはわからない。 気休めに近い。 事務所には、所長と課長と係長、主任である先輩が2人と私がいる。営業職の人も2人いるが、外に出ているので実質6人が現在、事務所内にいる。 午前中はとにかく自分の抱えているタスクを終わらせるため 皆、無言で集中している。 キーボードをカタカタ叩く音だけが 事務所に響いている。こうした調子で続いているので 1時間もすれば、とてつもなく眠くなる。
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