第1章

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十字路になっている信号を渡り、 渡ってすぐの角のビルの扉をぐっと開ける。 薄暗く、少しひんやりとした コンクリートの階段を登る。 数段上がり、エイハラ紙器株式会社と書かれたドアを押した。 中に入り、靴を靴箱にしまい ナースサンダルに履き替えて、奥にある更衣室まで歩く。 更衣室のドアをノックする。 「どうぞ」 ガチャリとノブを回す。 「おはようございます。」 「おはよう。」 先輩社員がちょうど制服に着替え終わったところだった。 「毎日暑いね。」 「そうですね~。 もう、すぐ汗かいちゃいますね」 「ほんとに。すぐ化粧崩れるし やんなっちゃうよねー。」 先輩はファンデーションを 化粧が崩れた部分に塗りこみながら さらっと答えた。 「寝坊?」 「!!‥っ、あっ‥はい。 すみません‥‥。」 唐突に突っ込まれたのでドキッとした。
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