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十字路になっている信号を渡り、
渡ってすぐの角のビルの扉をぐっと開ける。
薄暗く、少しひんやりとした
コンクリートの階段を登る。
数段上がり、エイハラ紙器株式会社と書かれたドアを押した。
中に入り、靴を靴箱にしまい
ナースサンダルに履き替えて、奥にある更衣室まで歩く。
更衣室のドアをノックする。
「どうぞ」
ガチャリとノブを回す。
「おはようございます。」
「おはよう。」
先輩社員がちょうど制服に着替え終わったところだった。
「毎日暑いね。」
「そうですね~。
もう、すぐ汗かいちゃいますね」
「ほんとに。すぐ化粧崩れるし
やんなっちゃうよねー。」
先輩はファンデーションを
化粧が崩れた部分に塗りこみながら
さらっと答えた。
「寝坊?」
「!!‥っ、あっ‥はい。
すみません‥‥。」
唐突に突っ込まれたのでドキッとした。
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