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車が空いていたって事もあってあっという間に私の家の前。
恥ずかしさもあって何となくきごちない。
けど、
もう帰らなきゃいけない。
またしばらくはゆっくり会えないんだから、ちゃんと普通にしなきゃ。
「今日はありがとうございました。それにわざわざ家まで送ってもらっちゃって」
「いや、こっちこそ急な誘いでごめんね」
「………」
「………」
明日も仕事。
北沢さんまた明日も忙しいはず。
早く帰らなきゃ…って思うのに少しでも長く一緒にいたい。
でも我儘は…
「しばらくは忙しいんですよね?」
「まぁそうだね」
「体調崩さないように気を付けてくださいね」
「うん」
「………」
「………」
「………じゃ、おやすみなさい」
そう言ってドアに手を伸ばす。
あれ?
ドアに鍵かかってる?
「北沢さん、鍵…」
と言いながら振り返ると────
目の前に北沢さんの顔。
一瞬で離れた唇は言葉を言いかけたまま固まって。
そのまま
きつくきつく抱き締められた。
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