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「千佳、いきなりごめんね」
「いっいえ!全然っ!わ、私、何も予定なかったから全然大丈夫です!」
「あはは。千佳さん照れてます?可愛いっすね~」
川端くんが変な事言うから!
「川端うるさい。千佳困ってるだろ」
「もぉ~佑都さん俺になんて妬かないでくださいよ」
「お前ここで降ろすわ…」
「あぁ!それは勘弁してください!」
川端くんのせいで変に意識しちゃったけど…
でも、私を助手席に乗せてくれる北沢さんの行動が嬉しくて。
きっと照れながらも顔がほころんでるんだろうな、私。
******
「じゃー、お疲れした!かんぱーい!」
川端くんの掛け声でグラスを合わせた。
「あれ?北沢さん飲まないんですか?」
「千佳送るから」
「私、タクシーで帰りますから大丈夫ですよ」
「ダーメ」
「千佳さん、すいません…俺が佑都さん家に泊っちゃうから…」
「そんな、全然気にしないで」
「千佳が泊まって川端がタクシーって案も──」
「それだけはっ!俺、今月もうピンチなんすよ…」
「俺は千佳に泊まってほしいけど」
"それは重々承知です!"
ペコペコ謝りながらも注文し出す川端くんが可笑しくて。
思わず笑っていると
「千佳、ごめんね。後でちゃんと送るから。今日は一緒に川端の話聞いてやって」
川端くんには聞こえないようにボソッと私に伝えてきた。
川端くんの前ではそっけない返答してるのにちゃんと彼の事を気遣ってあげてる北沢さん。
「はい」
とは答えたものの…
私も一緒に聞かなきゃいけない話って?
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