第15章

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ヒーヒーお腹を抱えながら何とも楽しそうな彼。 「でも似たような事言われたんっすよ。それ聞いたら今までの佑都さんの態度が全部愛情の裏返しだったんだ~っと思ったら一気に佑都さんとの壁がなくなったんです」 「そっ…そうなんだ」 「俺、佑都さんチョ~好きっす!」 酔ってはいるけど北沢さんの事を話してる川端くんの顔は本当に良い顔してて。 きっと北沢さんも川端くんの事を可愛い後輩って思ってるんだろうな。 「壁がなくなったとたん佑都さんの色んな部分が見えてきて。くくくっ…」 また話し出したと思ったら今度は思い出し笑いをしてる。 「さっきも言ったけど佑都さん、千佳さんの事となると別人になるから普段とのギャップが激しくて」 「ギャップ?」 「普段からあまり慌てたり荒れたりなんて絶対しないのにこの間の社員旅行は…」 …え?社員旅行? 「こーら。また千佳さんに絡んでるだろ」 「うわぁ!ビックリさせないでくださいよ~」 「千佳変な事されなかった?」 「え?あぁ…大丈夫です」 「ひっでぇ!俺、指一本も触れてないっすよ」 「当たり前だ」 ドキンっとした。 確かに旅行中、私を見失って慌てたとは聞いたけど…荒れたって? チラッと横に座ってる北沢さんを盗み見る。 北沢さんが荒れるなんて想像もつかない。 川端くんお酒が入って盛って話をしただけかもしれない。 だけど。 何となく頭の奥で引っ掛かった。
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